「え、保険証がないって……どういうこと?」
義父からの突然の電話に、最初は言葉を失いました。
夫の姉、つまり義姉が、命の危険がある状態で緊急入院。
それだけでもショックだったのに、追い打ちをかけるように――「無保険だった」と。
今回は、国民皆保険の日本で無保険状態の人が入院したとき、家族にできること、そして実際に私たちが取った行動について、体験をもとにまとめました。
国民皆保険ってほんとに全員?
日本は「国民皆保険制度」がある国。
健康保険(職場の社会保険)か、国民健康保険のどちらかに誰もが加入することが義務なんです。
でも、実際は、「保険料未納」や「手続き漏れ」によって無保険状態になっている人もいるのが現実…。
今回の義姉のように、さまざまな事情で保険料を滞納し、結果的に無保険=医療費が10割負担になってしまうケースもあります。
義姉の状況と「まさかの無保険」
義姉は、数年前まで正社員として働いていましたが、業務のストレスで体調を崩し、退職。
現在は障害年金を受給しながら、彼氏と同居して生活している状態です。
ですが、ここ数年、国民健康保険料を払っていなかったとのこと。
病院の窓口では当然「保険証がないので10割負担」となり、義父が医療費を立て替える事態に。
「どうすればいいの?」と混乱しながらも、まずは夫と市役所に相談に行くことにしました。
市役所でできたこと
義姉から委任状をもらって、市役所の国保窓口へ。
滞納していた期間は約4年、総額は31万円ほどとのこと。
義姉の経済状況から考えて一括での支払いは難しい。
私たち家族を頼られても、全員余裕のある生活を送っているわけではありません。
国保窓口の方へ「このままでは無理です…」と正直に伝えると、
- 請求書が届く8月以降に、減免や分割の相談が可能
- 今からでも保険証の発行はできる
との説明を受けました。
とりあえずその場で保険証を発行してもらい、義父へ渡すことができてホッ。

今後の入院費、誰が払うの?
とはいえ、問題はまだまだ山積みです。
- 高額医療費制度を使っても、残額を誰が払うのか?
- 義父は後期高齢者で経済的に厳しい
- 同居の彼氏が払う? 夫? 兄弟?
- 来年以降の国保の支払いは誰が?
「助けたいけど、どこまで関わるべきか…」
悩む家族の気持ちも、すごくわかります。
救世主!医療ソーシャルワーカーの存在
そんな中で出会った希望の光が【医療ソーシャルワーカー】という存在。
これは、病院に常駐している福祉の専門職で、こんなサポートをしてくれます:
- 医療費や生活費の相談
- 就労や退院後の暮らしについての支援
- 関係機関との調整や制度の案内 など
今回のように、保険や経済的な問題だけでなく、家族の不安や悩みごとにも寄り添ってくれる心強い味方です。
※病院にいない場合は、地域包括支援センターや市区町村の福祉課が窓口になります。
まとめ:家族が巻き込まれたときの対処法
無保険・緊急入院という思いがけない事態。
自分の知識だけではどうにもならず、不安で眠れない夜もありました。
でも、「医療ソーシャルワーカーに相談できる」と知ったことで、少し安心できたのも事実です。
大切なのは…
- 早めに専門家に相談すること
- 家族間でも“線引き”を意識すること(特にお金の話)
一度手を差し伸べると、その後も頼られるパターンは多いです。
だからこそ、最初の時点で第三者を介すのが、心と家計を守る鍵になると思います。


何かあったとき、「自分が動かなきゃ」と背負い込んでしまうこともあると思います。
でも、頼れる制度や専門家がいることを知るだけでも、心が軽くなるんです。
そして、自分自身や家族を守るためにも「どこまで関わるか」をあらかじめ決めておくことも、大切な備えになりますよ。
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